防音室の壁の構造
遮音性能に大切な要素はザックリ表現すると”重さ”と”厚さ”という事になります。
音の伝播は空気の振動ですので、軽い壁は簡単に影響を受けてしまい、
壁の反対側へ音が抜けてしまいます。
「高い音」はに関しては、これで比較的簡単に遮音効果が得られますが、
「低い音」はこれだけでは抑えられません、
”重さ”のある壁に”厚さ”(2重・3重壁)を持たせることで、
低音から高音までカバーできる遮音壁にすることが出来ます。
重い壁は、1階に施工するならば可能ですが、
壁を厚くするのには住宅では限度がありますので、
最低必要な有効寸法を取るために、
要望される事の優先順位を決めて、
折り合いの付く所を探って行くことになります。
当社の防音工事では、重さに関しては、
石膏ボード(建材の中で一番安価で重量がそこそこある)を重ね張りをしています。
出来る事ならば、空気層を約20㎝取り、二重壁にし、
余裕があるならば、更に空気層を10㎝取り3重壁にします。
そこまですれば、ドラムセットの音でもほぼほぼ聞こえなくなります。
壁厚を取ることが難しい場合には、
壁の重量(鉛ボード等使用)を増したり、
空気層に充填する吸音材の密度を高くして、
薄い壁でも少しでも遮音効果を高くする方法等を提案しています。
防音室の天井の構造
当社施工の防音工事の天井の施工方法をご紹介します。
防音室内の天井は2重又は3重とし、上階から縁を切って施工します。
①防振ゴムを使用した吊り天井工法
天井下地を躯体から引き下ろした防振ゴム(重量から選定)で吊り、
上階から縁を切って施工します。
比較的大きな室の工事に適します。
②防振ゴムを使用しない飛ばし下地工法
防振ゴムは使用せず、壁から壁へ下地を渡し、
躯体には全くつながない工法。
比較的小さな室の工事に適します。
防音室の床の構造
当社施工の防音室工事の代表的な床の施工方法をご紹介します。
防音室内の床は2重床とし、ベタ基礎や、FLなどから縁を切って浮かせるようにして施工します。
①防振ゴムを使用した湿式工法
コンクリートスラブを防振ゴム(重量から選定)で浮かしてGLと縁切りすることで、
浮スラブから躯体へ振動を伝えないようにします。
一戸建て住宅等の1階の施工時に使用する工法です。
②防振ゴムを使用した乾式工法
木組床を防振ゴム(重量から選定)で浮かしてGLと縁切りすることで、
浮床から躯体へ振動を伝えないようにします。
テナントや、マンション等、総重量に上限がある場合に使用する工法です。
その他、湿式グラスウール工法や、簡易防振ゴム工法など、重量の制約や予算などにより、
物件に合ったご提案をさせて頂いています。
組立動画
新規使用材料のテスト
新規使用材料の遮音性能テスト
「防音室」は目的や用途によって必要な遮音性能に違いがあります。
当社ではお客様の利用用途に合わせた、理想の防音室施工できるように、専用機器を使い、数値を測定します。